【油堀】 あぶらぼり  深川の【十五間川 】の通称

隅田川東岸沿い、下之橋から木場に至る運河・十五間川の通称である油堀川、亦
その周辺の地名。元禄年間に掘られた運河で物資の運搬が盛んだった。 現在の
佐賀町、福住町の両岸には特に油問屋が多く、緑橋の南西には油商人会所もあり、
油堀河岸とか油堀と称された。

夢酔は「おふくろの内で生れた」 と記しているが、「おふくろ(父・平蔵の妾)の家」 の
所在地は不詳で、 出生地を油堀とするのは根拠に欠ける。

出生後、平蔵の家に引き取られ幼年期を過ごすのが、「深川のあぶら堀といふ所」、
亦、「庭に汐入りの池が有」ったと記すが、その正確な場所は不詳。

油堀は堀川と云う名で1970年代半ばまで残っていたが 1976年に埋め立てられ、
1980年にはその上に首都高速9号深川線が開通した。
 

 

油堀(左上)と下之橋(前側)、右上は永代橋   (隅田川)両岸一覧図 (部分)、翠松斎鶴岡蘆水、1781年



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